頭皮プラセンタ注射ではげ治療
頭皮に直接有効成分を注入する治療方法で有名な脱毛症治療にHARG療法と育毛メソセラピーがあります。どちらも非常に治療効果が高くなっています。脱毛症の治療は基本的に治療行為を辞めてしまうと再び脱毛が進行してしまうのが一般的ですが、HARG療法に至っては、毛母細胞や毛乳頭を再生・活性化させる成長因子を多く含む為、治療を終了した後でも一定の発毛効果が持続することがわかっている最先端脱毛症治療です。
そして、HARG療法・育毛メソセラピーに次ぐ脱毛症の治療として注目を集めいているのが頭皮プラセンタ注射での脱毛症治療となります。
プラセンタって何?
そもそもプラセンタとは何なのでしょうか?美容に興味がある女性ならご存知の方も多いと思いますが、薄毛に悩みを抱える特に男性はご存知ない方も多いでしょう。
出典:胎盤
プラセンタ(placenta)とは英語で胎盤のことを指します。そう、女性が妊娠した際、胎児と母体を連結し胎児に成長に必要な栄養分を供給する重要な器官である胎盤です。ただし、一般的にプラセンタと言えば胎盤から注した成分を加工、含有させた医薬品やサプリメントのことを指しています。
プラセンタには、「人由来プラセンタ」「馬由来プラセンタ」「豚由来プラセンタ」「牛由来プラセンタ」「羊由来プラセンタ」「植物由来プラセンタ」等の種類があり、主に医療用に使用されるのが人由来のプラセンタで、健康食品やサプリメント等に使用されるのが馬・豚由来、つまり家畜のプラセンタが主に使用されています。一昔前まではサプリメントの原料として、牛や羊由来のプラセンタが利用されていましたが、伝達性海綿状脳症(TSE)の一種である牛海綿状脳症(BSE)が確認されたため安全性の面から牛・羊以外のプラセンタが使用されています。
ちなみに、「植物由来プラセンタ」についてですが、植物には胎盤がありません。要は哺乳類動物が持つ成分と似た効果が植物の「胎座」と呼ばれる部分から得られる為使用されてい造語ですね。
プラセンタの歴史と効果
あまり馴染みのないプラセンタですが、その歴史はとても古く今から2000年以上前にはすでに医療や美容や健康面で使用されていたことがわかっています。歴史上の有名な人物をあげるなら、中国の秦の始皇帝やエジプトのクレオパトラ、フランスのマリーアントワネット等も美容や滋養強壮・不良長寿目的で使用していたとされています。
その他にもプラセンタには様々な効果があるとされ、例えば、老化の原因の1つと言われる活性酸素を減少させる「アンチエイジング効果」や「新陳代謝の活性化」「ホルモンバランスの調整」「しみやシワの予防」等様々な効果が期待されています。
その為、数多くの化粧品やサプリメントに配合されていた、私たちが気づいていないだけで案外身近な物でもあったりします。ただ、サプリメントに関していうと、プラセンタを経口投与した場合、そのほとんどが消化管で消化分解されてしまうため、その恩恵を得ることは難しいとされています。
頭皮プラセンタ注射が与える髪の毛への効果とその影響
このように、特に美容面で高い効果を発揮するプラセンタですが、実は弱った頭皮や髪の毛にも効果があることがわかっているのです。まずプラセンタの接種の方法についてですが、「注射」「経口投与」「塗布」の3つに分かれます。「経口投与・塗布」タイプのプラセンタは薬局等で購入ができ、主に化粧品やサプリメント・ドリンク等に使用され、医療用ではないので馬や豚由来のプラセンタが使用されます。
ただし、これら2種の摂取方法では髪の毛に対する効果がほとんど期待できないとされています。これは、先程も少し説明させていただきましたが、経口投与の場合は消化管で有効成分のほとんどが消化されてしまうためで、塗るタイプの場合、つまり経皮吸収は育毛・発毛に必要な有効成分が皮膚の表面にとどまり、皮膚内部まで浸透しないからとされています。ここで、薄毛治療として高い効果を発揮するのが直接注射器で有効成分を頭皮内部に注入する医療用の人由来プラセンタとなります。そんな、人由来のプラセンタが脱毛症に与える影響は以下の通りです。
成長因子で髪の毛の成長に重要な毛乳頭・毛母細胞の活動を活性化
髪の毛には寿命があり、寿命が終えるとまた同じ毛穴から新しい髪の毛が生えてきます。このサイクルのことをヘアサイクル(毛周期)といいます。AGA-男性型脱毛症が進行してしまうとこのヘアサイクルが著しく短縮されてしまいます。ヘアサイクルについては、髪の毛の一生【ヘアサイクルー毛周期】で詳しく紹介しています。
ヘアサイクルが短縮してしまうと本来であれば太く育つはずの髪の毛が細い状態で抜け落ち始めます。そして次に生えてくる髪の毛も、その次に生えてくる髪の毛も太く成長することなく細いまま、その寿命を終えてしまうのです。これが頭頂部や生え際に広がっていくことで髪密度が減り薄毛が進行していきます。つまり薄毛を改善させるためにはヘアサイクル(の成長期)を通常のサイクルの戻してあげることと、髪の毛を太く成長させることが重要になってきます。
人由来のプラセンタには成長因子と呼ばれる内因性のタンパク質が豊富に含まれています。この成長因子は細胞分裂を促進する働きがあります。髪の毛は毛乳頭からの指令を受けて毛母細胞が細胞分裂したものです。つまりプラセンタに含まれる成長因子を頭皮にダイレクト注入することで、毛母細胞の細胞分裂を促進させ太く丈夫な髪の毛を作り出すことができるとされているのです。
AGAの原因であるDHT-ジヒドロテストステロンの増殖を抑制
AGA-男性型脱毛症はテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが5αリクターゼ(還元酵素)の働きにより脱毛信号を強く出してしまうDHT-ジヒドロテストステロンが生成されてしまうことが原因です。テストステロン自体は直接的に【はげ】の原因になる訳ではないのですが、その濃度が高いとどうしてもDHT-ジヒドロテストステロン濃度も高くなってしまいます。
プラセンタにはテストステロンの濃度を自然な形で抑える働きがあり、その結果、脱毛症の原因であるDHT-ジヒドロテストステロンの濃度を下げることが可能です。
【はげ薬】にはプラセンタ同様にDHT-ジヒドロテストステロン濃度を低下させるプロペシア(主成分:フィナステリド)やザガーロカプセル(主成分:デュタステリド)があります。これらはプラセンタのようにテストステロンの濃度を自然な形で抑えるのではなく、DHT-ジヒドロテストステロンを作り出す5α還元酵素の働きを薬理作用で強引に抑え込むため、服用を続けることでAGA-男性型脱毛症を進行をかなり抑制させることが可能ですが、薬理作用が強いため女性は使用することはできません。
これとは違いプラセンタは自然な形でテストステロン濃度を抑える為、女性の薄毛にも安心・安全に治療目的で使用することができます。元々プラセンタ(胎盤)は女性のみに形成される器官なので、女性でも安全利用できることは納得できると思います。
血行促進作用
身体を成長させるためには栄養が必要であるように、髪の毛を太く丈夫に成長させるためにも栄養は不可欠です。この栄養は頭皮に張り巡らされた毛細血管を通じ毛乳頭に運ばれます。そして毛乳頭から毛母細胞へ髪の毛の成長に必要な栄養分が供給され太く丈夫な髪の毛を成長させます。プラセンタにはこの毛細血管の血流を促進させたり、傷ついた毛細血管を修復する働きがあります。
その他の働き
その他にもプラセンタにはストレスを緩和したり、頭皮の老化を予防するエイジングケアなど様々な抜け毛予防効果があるとされています。その他には冒頭でも触れている通りプラセンタは美容目的で使用される場合が多く、新陳代謝の活性化や病気やアレルギー等に対す抵抗量UP、「しみやしわ」を予防する効果もあるとされています。
頭皮プラセンタ注射の費用は?
【はげ】の治療は基本的に保険適用外の自由診療です。つまり頭皮プラセンタ注射も保険が適用されないので、価格は各専門クリニックで様々ですが、おおよそ1本\5,000-程度のところが多いようです。また、どのような【はげ】治療も継続することでその効果を発揮します。プラセンタ注射に限って言うと、1か月に1~2回程度のプラセンタ注入が望ましいでしょう。
他の治療方法との治療効果比較とまとめ
頭皮プラセンタ治療は、数ある【はげ】治療方法の中では中堅どころの治療方法と言えるでしょう。例えば、血行促進について言えば、ミノキシジルタブレットには適いませんが、リアップ等の塗るタイプミノキシジルよりは効果が高いとされています。また、ホルモン抑制効果についても、プロペシアやザガーロカプセルには適いませんが、育毛シャンプー等に含まれるホルモン抑制効果よりも高い効果が期待できます。もちろん、成長因子だけを目的とするのであれば、HARG療法の足元にも及びません。
このような特定の分野のスペシャリスト治療には劣りますが、これら全ての治療要素が少しずつ含むのがプラセンタ治療となるのです。また、プロペシアやザガーロカプセルのように、【はげ】治療には男性に特化した治療が多くなっていますが、女性でも安心して利用できるのが頭皮プラセンタ治療よ良いところの1つでしょう。