フケの正体!!原因は何?

フケイメージ画像いきなりですが、頭皮から絶えず出てくるフケについて皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

「不衛生」「不潔」「汚い」・・・だいたいこんな所でしょうか?フケが出る量やその大きさは人それぞれで個人差があり、その原因も体質や病気、生活習慣など様々です。ただ、フケの量や大きさにコンプレックスを抱えている人ほど、フケが出ないように頭皮を清潔に保とうと努力しています。

つまり、フケは頭皮を清潔にしていても必ず出てしまうもので、
【フケが出ている≠不衛生】ということを覚えておきましょう。といってもやはり、髪の毛や両肩に白い粉状のものがたくさん付いていたりすると、どうしても不衛生に見られてしまいます。ここではフケの正体とその原因について紹介していこうと思います。

フケの正体とターンオーバー【新陳代謝・角化】

フケの正体は不要になった皮膚層の一部!!

私たち人間は体中を(頭皮も含め)皮膚で覆われていて、この皮膚は4つの層に分かれています。表皮の一番内側にあたる層から、

  • 【基底層(きていそう)】
  • 【有棘層(ゆうきょくそう)】
  • 【顆粒層(かりゅうそう)】

に別れ、そして一番外側にある層で普段私たちが目にしている皮膚が【角質層(かくしつそう)】となります。皮膚の元となる細胞は基底層で次々に作られ上へ上へ押し上げられていきます。そして、最上部まで押し上げられ不要になった皮膚層の一部は体から剥がれ落ちます。この不要になった皮膚層の一部こそが、垢やフケの正体です。

この一連の流れをターンオーバー(新陳代謝・角化)と呼びます。形や呼び方は違うものの、この一連の流れは髪の毛のヘアサイクルと似ています。ヘアサイクルについては、【髪の毛の一生【ヘアサイクルー毛周期】】で説明しています。

ターンオーバー(新陳代謝・角化)について

前述の通り表皮は内側から順に4つの層に分かれています。この4つの層は身体の内側から順番に

  • 【基底層(きていそう)】
  • 【有棘層(ゆうきょくそう)】
  • 【顆粒層(かりゅうそう)】
  • 【角質層(かくしつそう)

となっていて、この4つの層にはそれぞれ違った働きがあるのでもう少し詳しく紹介していきます。

【基底層(きていそう)】
皮膚の元となる細胞が(細胞分裂することにより)作られるターンオーバーの始まりの場所、それが基底層です。基底層ではケラチノサイト、メラノサイトで構成されていて、これらの細胞は毛細血管から栄養分や酵素を受けており皮膚の元となる細胞を次々と生み出していき、肌細胞を次の層である、【有棘層(ゆうきょくそう)】に押し上げていきます。

【有棘層(ゆうきょくそう)】
表皮を構成する4つの層の中で最も厚いのがこの有棘層です。有棘層はランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞がありこの細胞は体外から侵入してきた、ウイルスやアレルギー物質などの異物を身体の免疫機能を司るリンパ球に伝える重要な働きを持ちます。基底層が細胞分裂を繰り返すたびに有棘層も押し上げられ顆粒層に入っていきます。顆粒層付近まで押し上げられると、核を含めて細胞全体が徐々に扁平になっていきます。

【顆粒層(かりゅうそう)】
角質層のすぐ下に位置している層が顆粒層で顆粒層まで押し上げられた角質細胞はさらに薄くなっていきます。顆粒層には紫外線を下層に浸透させないようにするためのケラトヒアリン顆粒という成分が存在しています。加齢などの影響でケラトヒアリン顆粒の働きが弱まると、シミやシワの原因になったりします。

その他にも顆粒層では、天然の保湿成分と呼ばれている、
NMF(Natural Moisturizing Factor)が生成される場所でもあります。NMFは保湿機能に優れ肌の潤いを保つためにはとても重要な成分となります。NMFが不足してしまうと乾燥肌になり、後に説明する乾性フケの原因となります。

【角質層(かくしつそう)
表皮の一番外側にある皮膚層がこの角質層で、(部位によって異なりますが)成人した大人でもその厚みは0.02mm程度しかありませんが、角質層がなければ私たち人間は細菌やウイルス・紫外線などに対するの抵抗力が低下すると共に、皮膚の保湿力を失い生きていくことさえできないと言われるとても重要な器官でもあります。

基底層で生成された肌細胞は次々と生み出され上層へ押し上げられ最終的には角質層に達します。生まれたばかりの肌細胞は細胞核がありますが、角質層に達した肌細胞は、より扁平になり細胞核を失います。つまり死んだ細胞(角質細胞)となるのです。その後角質細胞は身体から垢やフケとなって剥がれ落ちるまで、私たちの体を細菌やウイルス・紫外線などの外部刺激から守ったり肌の保湿力を高めたりしてくれているのです。

フケの種類とフケが不潔に見えてしまう原因

このように私たち人間は生きている限り、ターンオーバー(新陳代謝・角化)を繰り返して新しい皮膚を作っていくので、不要になった皮膚層の一部はフケとなり、必ず皮膚から剥がれ落ちていきます。つまりフケを出さないことは不可能な事なのです。では何故フケが目立つ人とそうでない人がいるのでしょうか?これはターンオーバーの異常化とフケの種類に深い関係があります。

乾性フケ

フケは乾性・脂性の2種類ありますが、特に目立ちやすく不衛生に見られがちなのがこの乾性フケです。乾性フケは名前の通り頭皮が何らかの要因で乾燥状態が続くことで発生してしまうフケで、細かい粉上になった白い角質が髪の毛や肩に付着してしまうのが特徴です。乾性フケの原因はたくさんありますが、その中の1つに【シャンプー】があげられます。

シャンプーと乾性フケ

シャンプー(洗頭)は髪の毛や頭皮に付着した汚れを取り除くために行うものです。そのため、フケがたくさん出てしまう人は、より念入りに丁寧に長く洗頭してしまう傾向があります。実はこれが大きな落とし穴なのです。

シャンプー剤には様々な洗浄成分が使用されていて、この洗浄成分のことを界面活性剤と呼びます。界面活性剤は大きく分けると【高級アルコール系シャンプー】【石鹸系シャンプー】【アミノ酸系シャンプー】の3つに分かれ、ドラックストアなど市販で販売されているほとんどのシャンプーが高級アルコール系シャンプーとなります。

高級アルコール系の洗浄成分の特徴は、【原料が安価】【大量生産が可能】【汚れを超強力に除去】の3つがあげられるのですが、この強力な洗浄成分が大量の乾性フケを誘発する場合があるのです。

前述のターンオーバーについてで説明しているように、表皮は内側から順番に【基底層】【有棘層】【顆粒層】【角質層】の4層構造になっているのですが、実は角質層のさらに上にもう一つの層があり、この層は角質層と協力して頭皮の保湿力を高めています。この層のことを【皮脂膜】と呼ぶのですが、皮脂膜は洗浄力の強い高級アルコール系シャンプーで洗頭すると、わずかな洗頭時間で必要以上に皮脂膜を洗い流してしまうのです。

つまり時間をかけて丁寧に洗頭をすればするほど、保湿力を強力にサポートしてくれる皮脂膜を失い、頭皮の角質層は乾燥が進んでしまい乾性フケが発生してしまう訳です。

この場合の対応策は2つです。1つは洗頭方法の見直しです。
若はげを防止するためのシャンプーのやり方】でも紹介していますが、高級アルコール系の洗浄成分を使用しているシャンプーは、頭皮への負担が大きいためスピーディーに洗い上げていくことが洗頭の基本となります。髪の毛の長さが極端に長い場合は別ですが、一般的な短い男性の髪型であれば、シャンプー剤を付けている時間は60秒以内で十分です。洗浄成分が頭皮に付着している時間を短くしてあげることで、頭皮に必要な皮脂膜の流出を予防することができます。

そしてもうひとつが洗浄成分、つまり界面活性剤の変更です。
市販で販売されているシャンプーの界面活性剤のほとんどは【高級アルコール系】と呼ばれる洗浄成分を使用していて、この洗浄成分は強力なため、頭皮に必要な皮脂膜まで洗い流し乾性フケの原因となっている場合があります。つまり強力すぎる洗浄成分から頭皮にとって優しい洗浄成分【アミノ酸系シャンプー】に切り替えることで、洗頭をしっかりと念入りに行っても乾性フケを抑制できる場合があるのです。その他にもアミノ酸系シャンプーには髪の毛や頭皮とって良いことが多く、数多くのシャンプーの中で最もはげ予防に効果的なシャンプーと言えます。アミノ酸系シャンプーについては、シャンプーの(洗浄成分)種類と若はげにおすすめなシャンプーで詳しく紹介しています。

その他の乾性フケの原因と対策

シャンプー以外にも乾性フケの原因はたくさんあります。ちょっとしたストレスや食生活の変化、睡眠不足の状態が続くことでも乾性フケは発生してしまう場合があります。

例えば女性の場合、寝不足の次の朝は化粧の乗りが悪いという経験をしたことがあると思います。これは肌のターンオーバーの乱れが原因です。髪の毛で覆われていて見た目にはわかりにくいですが、顔の皮膚も頭の皮膚も同じ皮膚なので、頭皮でももちろん同じようなことが起きています。

化粧の乗りが悪いということはターンオーバーが乱れることにより皮膚が乾燥したり凸凹になっていることが原因の1つとしてあげられます。なぜ睡眠不足でこのようなことが起こってしまうかというと、これには【成長ホルモン】が深く関わっています。成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるホルモンで様々な働きを持っています。そして、その中の一部に【ターンオーバーのコントロール】や【皮膚の修復】などが含まれているのです。

つまり、睡眠時間が短くなると成長ホルモンの分泌量が減少してしまい皮膚(頭皮)のターンオーバーが乱れてしまいます。結果肌が荒れてしまい化粧の乗りが悪くなったり、皮膚の保湿成分であるNMF(Natural Moisturizing Factor)が減少してしまい乾性フケの原因になったりしてしまうのです。また、成長ホルモンはフケ以外にも髪の毛の成長と深く関わっていて、良質な睡眠をとり成長ホルモンの分泌を促すことで、はげ予防になります。詳しくは睡眠不足では元気な髪の毛は育たないで紹介しています。

このように乾性フケになってしまう原因は様々ですが、基本的には頭皮の保湿力の低下と皮脂分泌量の減少が主な原因となっています。つまり乾性フケの対策はこれら2点の改善がネックとなってきます。例えば前述で説明しているシャンプー剤を洗浄力の優しいアミノ酸系・または保湿成分配合のシャンプーに切り替えたり、(つばき脂・ワセリン・オリーブオイルなどを配合した)頭皮専用の保湿ローションを使用することで乾性フケは予防できる場合があります。また、乾性フケは空気が乾燥している冬場に起こりやすいので、加湿器を上手に活用し室内の湿度をコントロールすることで乾性フケを軽減できる場合があります。

脂性フケ

頭皮のターンオーバーが乱れることにより乾燥した角質層が細かい粉状になり剥がれ落ち、目に見える形で髪の毛や肩などに付着してしまう乾性フケに対して、過剰な皮脂分泌が原因で油分を含んだベトベトしたフケが脂性フケとなります。

脂イメージ画像脂性フケは脂を多く含んでいるため、乾性フケのように粉状のフケが肩にパラパラ落ちることはありませんが、クシやブラシなどで髪の毛をブラッシングすると油分を含んだベトついたフケが大量にこれらに付着します。また、乾性フケと比べるとそのサイズも大きく中には10mm程度の大きさになることもあります。

脂性フケの原因は遊離脂肪酸

結論から先に言ってしまうと、脂性フケは遊離脂肪酸の増加が原因で悪化してきます。遊離脂肪酸は酸化することで頭皮にとって有害で刺激の強い過酸化脂質となります。この過酸化脂質が頭皮の炎症や角質層の剥離を引き起こし脂性フケとなるのです。

いきなり遊離脂肪酸と言われてもこの言葉自体聞きなれない人も少なくないと思いますので、順を追って説明していこうと思います。
脂性フケとはその名の通り脂を多く含んだフケのことを指します。この脂というのは頭皮の皮脂腺から分泌される皮脂のことを指すのですが、この皮脂の分泌量はストレス・ホルモンバランスの乱れ・食生活や生活習慣の乱れなどが原因で過剰になる場合があります。当サイトでも繰り返し説明していますが、皮脂は私たちの身体を紫外線や体外から侵入しようとするウイルスや病原菌から守る大切な働きをもつのですが、増えすぎるのもそれはそれで問題があるのです。

頭皮に生息する常在菌の働き】で紹介しているように、私たち人間は数多くの菌と共生関係にありあす。頭皮環境が整っていて常在菌バランスが整っていれば、何も悪さをしない菌達ですが、頭皮環境が悪化すると徐々に悪さをし始めます。そんな常在菌の中の1つにマラセチア菌がいます。

マラセチア菌はカビ菌の一種で誰の体にも必ず存在している常在菌で、頭皮や髪の毛に付着した皮脂や汚れ等を分解しています。皮脂の分泌量が正常であれば、それほど悪影響は出ませんが、皮脂分泌が過剰になってしまうと皮脂をエサとして、マラセチア菌が異常繁殖してしまう場合があるのです。

異常繁殖したマラセチア菌はリパーゼという酵素を分泌し過剰に分泌された皮脂を遊離脂肪酸とグリセリンに次々と分解していきます。大量にできてしまった遊離脂肪酸が酸化すると、先ほど説明した通り刺激の強い過酸化脂質となり、頭皮を炎症させ角質層を剥離します。頭皮には過剰に分泌された皮脂があるので、この皮脂と皮膚から剥離された角質が混ざり合い脂性フケとなるのです。

軽度の脂性フケはそれほど気にする必要もなく【はげ】が急激に進行してしまうようなことはありませんが、脂性フケになりそれを放置し悪化してしまうと、【はげ】が進行してしまう場合があります。それが脂漏性脱毛症です。脂漏性脱毛症は脂性フケがさらに悪化した状態で、マラセチア菌の影響で増え続けた過酸化脂質がさらに増え続け頭皮の炎症させこの状態を脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹と呼びます。。増加した過酸化脂質は毛穴の中に入り込み毛穴の中も炎症させ髪の毛と頭皮の結びつきよ弱めてしまい脱毛を進行させてしまいます。場合によっては出血を伴う場合もあり、こうなるとはげ治療どころではありません。

まずは専門医の指導の下、脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹の治療に専念するようにしましょう。脂漏性脱毛症については、脂漏性脱毛症で解説しています。

脂性フケ対策と改善方法

前述の脂性フケの原因で説明している通り、脂性フケである過剰な皮脂分泌はストレス・ホルモンバランスの乱れ・食生活や生活習慣の乱れなど数多くの原因で起こりえます。基本的なことにはなりますが、ストレスフリーな生活を心がけたり、油分を多く含んだファーストフード・外食等を控えるなど、日頃の生活スタイルをすこしずつ改善することで脂性フケは改善することができる場合があります。

ただ、体質的に元々皮脂分泌が多くどうしても脂性フケになりがちな人もいるかと思います。そういった方には毎日行うシャンプー剤を脂性皮脂専用の物に変更することで改善をできる場合があります。

脂性フケ専用シャンプー
①スカルプD-薬用スカルプーシャンプーストロングオイリー【脂性肌用】

ストロングオイリーイメージ画像

脂性フケの対策にオススメできるシャンプーが、数多くのスカルプケア商品を販売するアンファー株式会社のスカルプD-薬用スカルプーシャンプーストロングオイリー【脂性肌用】です。

その名前の通り、スカルプDストロングオイリーはスカルプD商品の中でも皮脂に対する洗浄力が非常に高く、過剰に分泌された脂性フケの原因になる皮脂をきっちり除去し頭皮環境を整えてくれます。また、ハリ・コシ成分が配合されているため、猫毛で髪の毛のボリュームに悩む方にもオススメできるシャンプーとなります。

スカルプD-薬用スカルプーシャンプーストロングオイリー【脂性肌用】についてもっと詳しく!!-外部サイト

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