洗頭の最終工程!【はげ】ない為の髪の毛の乾かし方
洗頭はシャンプーやコンディショナーをすれば終わりではありません。濡れた髪の毛や頭皮をそのままにしていると良くないということは、何となくご存知の方もいると思います。ここで重要になってくるのがヘアドライです。
「言われなくてもお風呂やシャワーの後は髪の毛を乾かしている。」なんて言葉が聞こえて来そうですが、無造作にただ何となく乾かすのと、知識をもって意識的に髪の毛にとって良い乾かし方をするのとでは、髪の毛や頭皮に与える影響はかなり違ってきます。
ここでは洗頭の最終工程とも言える、【はげ】ない為の正しい髪の毛の乾かし方について紹介していこうと思います。
髪の毛や頭皮が濡れたままだとどうなる?
洗頭の後、髪の毛や頭皮が濡れた状態のままになっていると、具体的にどのような悪影響を与えるかご存知でしょうか?この濡れた状態が与える悪影響をしっかり理解すると、今後の髪の毛の乾かし方がきっと変わってくると思います。
髪の毛は濡れるとキューティクルが開いてしまう
髪の毛は1本1本が3層構造になっていて内側から順番に、
【毛髄質(メデュラ)】
【毛皮質(コルテックス)】そして一番外側に位置するのが
【毛表皮(キューティクル)】です。
キューティクルは魚のうろこ状にコルテックスを包み込んでいるのですが、その性質として濡れた状態が続くとキューティクルは開いてしまいます。ハリネズミが興奮したときにハリを立てるところを想像するとイメージしやすいでしょうか。そして、キューティクルが開いている状態を放置すると髪の毛の【ツヤがなくなったり】【パサついたり】様々な悪影響を及ぼします。その中でも特に注意したいのが【切れ毛】の増加です。
髪の毛の太さは個人差がありますが、直系0.02mm~0.04mm程度ととても細いものです。そんな細い髪の毛の一番外側の層であるキューティクルが開くということは、髪の毛に切り込みを入れるようなものです。さらにキューティクルが開いている時間が長くなると髪の毛の弾力も低下します。弾力がなくなるということは、外部刺激に弱くなるということです。「切れ目が入った弾力のない固い髪の毛!!」切れ毛の増加が容易に想像できると思います。
切れ毛は髪の毛の本数自体が少なくなっている訳ではありませんが、頭皮の髪密度が低下するためひどい場合、【はげ】に見えてしまうのです。
頭皮や髪の毛が濡れていると常在菌バランスが乱れてしまう
【頭皮に生息する常在菌の働き】で記事にしていますが、私たち人間の腸内や皮膚には(頭皮も含め)常在菌と言われる微生物が存在しています。皮膚に生息する常在菌のことを皮膚常在菌と呼び、この常在菌はバランスが整うことで皮膚にとって不必要となった古い皮脂を分解したり、保湿成分を生成し外部刺激から髪の毛や頭皮を守ってくれています。
しかし、これらは常在菌のバランスが整っていることが条件です。そして常在菌バランスはとても乱れやすいことを知っておく必要があります。例えば、
- シャンプーのやり過ぎ
- 睡眠不足
- ファーストフードやスナック菓子
- 濡れたままの髪の毛や頭皮
これらは、全て常在菌バランスの乱れの原因になってしまい、頭皮の常在菌バランス一度乱れてしまうと頭皮にとって様々な悪影響が現れます。
頭皮の皮脂腺から分泌される皮脂には、頭皮を雑菌から頭皮を守ったり潤いを保つ大事な働きがあるのですが、髪の毛が濡れた状態が続いてしまうと、悪玉の常在菌が異常繁殖し頭皮に必要な皮脂まで分解してしまうことがあります。その結果乾燥肌になりフケが大量発生、頭皮が炎症し抜け毛の現認になる場合もあります。
また、逆に常在菌が極端に減少してしまうと、頭皮にとって不必要となった古い皮脂も分解できなくなり、洗頭をきっちり行っているのに頭皮や髪の毛から鼻につくツンとした嫌な臭いがすることもあります。
このように、様々な頭皮・髪の毛トラブルの原因の一つに、お風呂(シャワー)の後の濡れ髪の放置があげられるのです。ただ、髪の毛をただ単に乾かせばいいと言う訳でもありません。無意識にただ単に髪の毛を乾かしていると、髪の毛に思わぬダメージを与えてしまうかもしれません。せっかく乾かすのであれば、正しい知識を持って「【はげ】ない為の正しい髪の毛の乾かし方」を是非実践していただきたいと思います。
【はげ】ない為の正しい髪の毛の乾かし方
- コンディショナーやトリートメントを推奨
- バスタオルを使う前に掌で優しく水分を取る
- タオルドライでさらに水気を取る
- ドライヤーの前にアウトバストリートメントを活用
- ドライヤーを上手に使っていきます
1.コンディショナーやトリートメントを推奨
髪の毛の乾かし方ではないのですが、髪の毛を乾かす前にはコンディショナーやトリートメントをしておくと髪の毛の負担が軽減されます。というのは、髪の毛を乾かす場合、タオルドライの摩擦やドライヤーの熱で少なからず髪の毛に負担がかかってしまいます。
コンディショナーやトリートメントをし髪の毛をコーティングすることにより、これらの負担を低減させることができます。※ただし髪の毛が短い場合は不要です。
リンスやコンディショナーについては【シャンプー後はリンス・コンディショナーを!!】で紹介しています。
2.バスタオルを使う前に掌で優しく水分を取る
洗頭後は誰でもバスタオルで髪の毛を拭くと思いますが、まずはバスタオルを使う前に髪の毛の水気をできるだけ取ってあげることが大切です。前述で説明している通りバスタオルでおこなうタオルドライやドライヤーなどは、摩擦や熱などで少なからず髪の毛にダメージを与えてしまいます。そのため、これらの時間を少しでも短縮するためにタオルドライの前に髪の毛の水分を取ることが大切になってきます。
具体的な方法についてですが、髪の毛が長い場合は両手の掌で優しく挟み水分を絞り出します。また、男性のほとんどが当てはまると思いますが、髪の毛が掌に挟むほど長くない場合は頭を撫でるように頭頂部から毛先に向けて水分を絞り出します。どちらの場合も【優しく】水分を取るというところがポイントとなります。
後にタオルドライやドライヤーの工程があるので、無理に手で水分を取る必要は全くありません。無理に絞り出そうとすると髪の毛が抜けてしまったり、髪の毛が傷ついてしまう可能性があるので、ここでは軽く水分を取る程度に留めておきましょう。
3.タオルドライでさらに水気を取る
軽く水分を取ったら、次はタオルドライを行っていきます。ここでもいくつかポイントがあります。
特に男性に多いタオルの使い方なのですが、バスタオルを頭にあて両手を大きく動かしゴシゴシ拭いていませんか?【はげ】を気にするのであれば、今日からその方法やめましょう。その拭き方は【はげ】の原因の1つになるかもしれません。
当サイトでも何度か紹介していますが、髪の毛は死んだ細胞です。通常、生きた細胞であれば代謝を繰り返すうちに小さい傷は修復され消えていきますが、髪の毛の場合そうはいきません。髪の毛は死んだ細胞なので一度傷ついてしまうと抜け落ちるまでそのままです。そのため、常に傷つかないように注意する必要があるのです。
タオルドライの場合、髪の毛を包み込むように優しく水分を取っていきます。ゴシゴシ拭くのではなくバスタオルで挟むようにして水分を取り除いていくと言えばイメージしやすいでしょうか。髪の毛が短い場合はバスタオルを頭皮に押し当てるように水分を取っていきます。ここは時間がかかってもいいので丁寧に優しく水分を取り除いて行きましょう。
また、バスタオルは吸水性の良い柔らかいものを使用するようにします。何度も洗濯し固くなったバスタオルは髪の毛が乾きにくいのは当然のことタオル自身で髪の毛を傷つける可能性もあります。固くなったと思ったら早めに新しいものと交換するようにしましょう。少しもったいないと感じてしまうかもしれませんが、【はげ】てしまったら後の治療代の方がはるかに高くついてしまいます。
4.ドライヤーの前にアウトバストリートメントを活用
ドライヤーを使用する前に是非活用していただきたいのがアウトバストリートメントです。アウトバストリートメントはその名の通りお風呂の外で使用するトリートメントのことで、「洗い流さないトリートメント」とも呼ばれています。「アウトバストリートメントって??」という人は「女性だけじゃない!【はげ】に悩む男性もアウトバストリートメントを!」で詳しく紹介しています。
さて、肝心なアウトバストリートメントの役割りについてですが、もちろんトリートメントというだけあり、痛んだ髪の毛を補修する役割りがあります。ただ、注目すべきところはここではりません。アウトバストリートメントは外部刺激から髪の毛を保護する働きがあるのです。
この外部刺激というのはドライヤーの熱はもちろんのこと、髪の毛どうしの摩擦や紫外線などが含まれます。繰り返しになりますが、髪の毛はドライヤーの熱に弱く熱を加えすぎるとすぐに痛んでしまいます。このダメージを緩和してくれるのがアウトバストリートメントなのです。
アウトバストリートメントは女性専用ではありません。むしろ抜け毛や【はげ】に悩む男性にこそ活用していただきたいアイテムの1つなのです。また、アウトバストリートメントには数多くの種類がありどれを購入すれば良いか悩む場合があると思いますが、ドライヤーの熱などの外部刺激から髪の毛を保護するのであればオイルタイプのトリートメントおすすめです。
これについても「女性だけじゃない!【はげ】に悩む男性もアウトバストリートメントを!」で詳しく紹介していますので、是非参考にしてみてください。次からいよいよドライヤーを使って髪の毛を乾かしていきます。
5.ドライヤーを上手に使っていきます
まず最初に「ドライヤーを使うと髪の毛が痛むから自然乾燥させたほうが良い。」という話を時々耳にしますがこれは大きな間違いです。
確かに温風は髪の毛に良くないということは間違っていません。しかし髪の毛が濡れた状態(自然乾燥)のままにしておく方がはるかにデメリットが大きくなります。タオルドライ後は必ずドライヤーで髪の毛を乾かすようにしましょう。では本題の【はげ】ないためのドライヤーの上手な使い方について解説していこうと思います。
ドライヤーと髪の毛の間は20cmから30㎝程度離す
これはドライヤーの性能にもよるのですが、基本的にドライヤーを使う時には20㎝以上距離をとり髪の毛を乾かすようにします。これはもちろんドライヤーの熱から髪の毛を守るためです。また、一定の距離をとることで、髪の毛全体に熱が行き渡り髪の毛が早く乾きます。少し腕を伸ばす必要があり、腕がだるくなってきますが、髪の毛を守るために是非実践するようにしてください。
また、ドライヤーを小刻みに動かすのも大事なポイントとなります。いくらドライヤーと髪の毛の距離を取ったところで、同じところのに温風を当て続けるとその部分は高温になり髪の毛は傷んでしまいます。ドライヤーを振り髪の毛の同じ場所に温風が当たり続けないように心がけましょう。
髪の毛は根元から先に乾かすこと
髪の毛は乾きやすい場所、乾きにくい場所があります。髪の毛が乾きやすい場所は、乾きにくい場所を乾かしているうちに一緒に乾いてきます。乾きやすい場所を先に乾かしてしまうと、乾きにくい場所を乾かしている間、継続的に温風がすでに乾いている場所に当たり続けることになりその分、髪の毛にダメージを与える可能性があります。そのため、必ず乾きにくい場所から髪の毛を乾かしていく必要があるのです。
具体的に言うと、襟足付近や髪密度の高い髪の毛の付け根付近が乾きにくく、髪密度低く髪の毛自体が細くなりがちな毛先付近が最も乾きやすい場所となります。そのため、まずは襟足付近や髪の毛の根元(付け根)付近を重点的にドライヤーで乾かしていきます。手グシで髪の毛を軽く持ち上げると根元にドライヤーの熱を当てやすいと思います。髪の毛が短い人の場合、根元を乾かしているうちに全体が乾いていることがわかると思います。
イメージとして襟足や髪の毛の根元付近が8割程度乾いたと感じたら毛先を含め髪の毛全体を乾かしていきます。ここでも注意していただきたいポイントが1つあります。
髪の毛全体を乾かすときは、髪の毛の根元から毛先に向けて乾かすようにします。前述でも説明している通りドライヤーは[お風呂・シャワーなどで開いてしまったキューティクルを閉じさせる]という目的があります。キューティクルは毛先に向けうろこ状に配置されているので、根元から毛先に向けてドライヤーの温風をあてることによりキューティクルが正常に閉じる手助けとなるのです。
逆に、ドライヤーの温風を毛先から根元に向けて当て続けると、閉じかけているキューティクルをまた開けてしまったり、不自然な形でキューティクルを閉じさせてしまう可能性がでてきます。
具体的に言うと、髪の毛の全体を乾かしていくときは、ドライヤーの風向きが頭頂部から下(毛先)に向けて流れるようにすると良いでしょう。
ありがちなのが、ドライヤーを顔の正面に構え額から頭頂部に風が流れるように乾かす方法です。この方法はドライヤーを持ちやすく大変楽なのですが、キューティクルの向きに逆らった乾かし方になってしまうので、なるべく避けるようにしてください。
ドライヤーの仕上げは冷風で!
イメージとして髪の毛が9割程度乾いたら、ドライヤーの温風を冷風に切り替えます。ここでは髪の毛を完全に乾かし切らないところがポイントです。髪の毛は死んだ細胞ですが、水分を全く含んでいないわけではありません。健康な髪の毛はその質量の約10%が水分となります。この10%の水分が髪の毛の潤いの源でもあります。
ドライヤーの温風を当てすぎて完全に髪の毛を乾かしてしまうと、本来髪の毛内部にあるこの10%の水分まで乾燥させてしまう可能性があり、髪の毛のパサつきの原因になる他切れ毛の原因にもなったりします。これらを防ぐために最後の仕上げは温風から冷風に切り替える必要があります。最近ではほとんどないと思いますが、一昔前のドライヤーや旅行用の簡易的なドライヤーは温風しかでない(冷風に切り替えれない)ものがあったと思いますが、【はげ】予防を考えるのであれば、このようなドライヤーはなるべく避けるようにしましょう。
冷風に切り替える重要な理由がもう一つあります。
冷風にはキューティクルを引き締める働きがあるのです。ドライヤーの温風を濡れた髪の毛に当てると徐々にキューティクルは閉じてくるのですが、そのスピードは遅くまた完全には閉じません。髪の毛のキューティクルはしっかりと引き締まっていることにより、外部刺激から髪の毛を守ったり、髪の毛内部の栄養分を外に逃がさないようにしています。
お風呂に入りキューティクルが開くとキューティクルが閉じるまで髪の毛は外部刺激に弱くなり髪の毛内部の栄養分も外にどんどん出て行ってしまいます。その為開いたキューティクルはなるべく素早く閉じてあげる必要があり、これを手助けしてくれるのがドライヤーの冷風機能なのです。もちろん冷風を使用する場合もキューティクルの閉じる向き、つまり髪の毛の根元から毛先に向けて冷風が流れるように当てていくのか大切なポイントになってきます。そして冷風で髪の毛全体を整えたら終了です。
実は髪の毛は温度が下がるときに癖がつきやすいので、ヘアアレンジを楽しみたいのであれば、冷風を当てるタイミングである程度癖を付けてあげることで、翌朝のスタイリングがしやすなったりします。もちろんそうすることで、ワックスやスプレーなどのスタイリング在も少量ですむので、髪の毛や頭皮への負担を軽減することができます。
まとめ
文章にするとダラダラ長くなってしまいましたが、実際にしてみると案外手間ではありません。今まで間違った髪の毛の乾かし方をしていたなら、【はげ】ないための正しいドライヤーの使い方をするだけで、髪の毛の質感が変わってきているのに気づくことができると思います。
髪の毛を健康に保つためには、洗浄剤を使用するシャンプーやトリートメントだけではなく、その後の乾かし方もとても重要なのです。どのような方法でもそうですが、髪の毛の健康は短期間で手に入れることはできません。それこそ3か月6か月と長い目で実践していく必要があります。まずは、自分自身でできる簡単な【はげ】予防から着実に初めていきましょう。遠いように感じてしまいますが、その積み重ねこそが、はげ予防の近道になるのです。