髪の毛が1日に抜ける本数
「お風呂でシャンプーをした時」
「朝起きた時の枕元」
「自分の部屋を掃除した時」
このような場面ではよく抜け落ちた髪の毛を発見することが多く【はげ】を気にしている人なら「自分の髪の毛は大丈夫だろうか?」と気になっている人も少なくは無いはずです。ここでは髪の毛が1日に抜ける本数と、髪の毛が抜けやすい時期について解説していきます。
髪の毛が1日に抜ける本数
唐突ですが、髪の毛は抜けるものです。
これは避けられない事実です。ただ、中には髪の毛が毎日抜けるから【はげ】が進行すると考えている人もいると思いますが、毎日抜け毛があるからといってそれが【はげ】になるとは限りません。このことは、髪の毛全体の本数とヘアサイクル【毛周期】が深く関わっています。
まず髪の毛全体の本数ですが、赤ちゃんから大人になるにつれて髪の毛が多くなっていくような気がしますが、実は生まれる前から髪の毛の本数は確定していて、体が成長していく過程で髪の毛の本数が増えることはありません。
赤ちゃんの時に髪の毛の本数が少なく感じられるのは、毛髄質【メデュラ】と呼ばれる髪の毛の芯の部分が無い(または細い)為、髪の毛自体がとても細く髪密度が非常に低いのでそう感じてしまうのです。個体差にもよりますが、大体約10万本前後の髪の毛が私達人間には赤ちゃんの時から存在しているのです。
この約10万本の髪の毛は永遠に伸び続ける訳ではありません。髪の毛を切らなくても、腰辺りまで伸びると自然に抜け落ちるのです。髪の毛は1ヶ月で約1cm伸びます。成人の頭から腰までの距離が約60cm程度となるので、この計算だと生まれてから60ヶ月(5年)で全ての髪の毛は抜け落ちてしまうことになりますが、実際はそうではありません。
髪の毛はヘアサイクル【毛周期】と言って、抜けると同じ毛穴からまた新たな髪の毛が生えてくるのです。この抜けては生え、抜けては生えの繰り返しがヘアサイクル【毛周期】なのです。つまり髪の毛は毎日抜けて当然なのです。
では実際に1日にどれだけの髪の毛抜けているのでしょうか?
単純に1本の髪の毛が5年スパンでヘアサイクルをしていると仮定して計算すると、10万本÷5年(1825日)=約55本となります。髪の毛の抜け方にも個人差があるので一概には言えないのですが、毎日55本程度抜けるのは当たり前のことなのです。
中でも春や秋は抜け毛が増える
髪の毛は1年を通して秋がもっとも多いとされています。
はっきりとした理由は解明されていませんが一番有力視されているのが、他の動物同様に秋から冬にかけての自然脱毛です。
これは寒い冬を乗り切るために、密度の少ない少し粗めの夏の毛から密度の多いフワフワな冬の毛に生え変わるたに起こります。同じ理由で春から夏にかけても同様の自然脱毛が起こります。この自然脱毛が人間にも起きているという訳です。
その他にも、夏はいろいろな原因で髪の毛や頭皮が痛みやすい季節になります。例えば夏は紫外線が一番強い季節です。また、プールの消毒に使用される塩素・室内の強い冷房も頭皮や髪の毛にダメージを与え、秋頃になると抜け毛の量が増えるとされています。
これらの影響も重なり多い日には1日に200本前後髪の毛が抜ける場合もありますが、一時的なものがほとんどで一般的にそれほど神経質になる必要はありません。もちろん強い紫外線やプールの塩素は頭皮や髪の毛に良いものとは言えませんが、それだけが理由で【はげ】が進行してしまうことはありません。
シャンプーやリンス・ブラッシング時の抜け毛を気にしない
抜け毛を気にして、頭を洗う時やブラッシングしたときの抜け毛が気になるという話しを時々耳にしますが、これは全く気にする必要はありません。
確かにシャンプー・リンス・ブラッシングなどをすると、あたかもこれらのせいで「髪の毛が大量に抜けている」と思ってしまいますがそうではありません。髪の毛は約5年程の寿命を終えると抜け落ち同じ毛穴からまた新しい髪の毛が生えてくるのですが(ヘアサイクル)、実は髪の毛は寿命を終えたからと言って即抜け落ちる訳ではありません。寿命を終えると非常に抜けやすくはなりますが、しばらくは頭皮にとどまっているのです。
このような寿命を終えて抜けやすくなっている髪の毛が、シャンプーやブラッシングなどの刺激により頭皮から離れたに過ぎないのです。つまりこれらの抜け毛のほとんどはその生涯をまっとうして、抜けて当たり前の毛なのです。
逆にこれらを気にするがあまり、洗頭や洗髪がおろそかになったり、頭皮に残留した皮脂やストレスなどの血行不良が原因となり余計に【はげ】を進行させてしまう場合もあるので、気にしすぎにも注意しましょう。