湯シャンは【はげ】を予防できる?

「タモリさん」や「福山雅治さん」や「YOUさん」などの一部の有名芸能人が実践している(していた?)ことで有名な湯シャン。もちろん頭皮や髪の毛のことを考えてしていることなのですが、実際のところどうなのでしょうか?ここでは湯シャンについて詳しく説明していこうと思います。

そもそも湯シャンって何?

湯シャンイメージ画像TVやインターネットなど様々なメディアで紹介されている湯シャンとは界面活性剤つまり、シャンプー剤や石鹸などの洗浄成分を含む洗剤を全く含まない「お湯やぬるま湯」のみで洗頭・洗髪することを言います。

頭皮や髪の毛を洗うために開発されてきたシャンプー剤にはその種類にもよりますが、メリットとそしてデメリットが存在します。メリットはシャンプー剤の基本である≪汚れを落とす≫という効果。そしてデメリットとして≪頭皮に最低限必要な皮脂まで洗い流してしまう≫ということがあげられます。このデメリットは脱毛症に苦しむ多くの人々を悩ます原因の1つとなっており、湯シャンはこのデメリットを改善するために流行した洗髪・洗頭方法と言えるでしょう。

湯シャンの効果

湯シャンは前述の通り洗浄成分を全く使用しない洗頭方法なので、頭皮に必要に必要な皮脂は残しつつ優しく頭皮や髪の毛を洗いあげることができます。湯シャンによって得られる効果は全てこのことから派生したものとなります。

皮脂のバリア機能を保護

古くなった皮脂は頭皮の汚れとなり頭皮環境を悪化させる原因となりますが、新しく分泌される新鮮な皮脂には頭皮や髪の毛を紫外線やチリやほこり、髪の毛どうしの摩擦などの刺激から髪の毛や頭皮を保護する働きがあります。そのため皮脂の取り過ぎは頭皮や髪の毛の環境を悪化させてしまう可能性があるのです。

繰り返しになってしまいますが、湯シャンは洗浄成分を含むシャンプーや石鹸などと比べると洗浄力が弱いため、頭皮に必要な皮脂を残しつつ頭皮や髪の毛を洗いあげることができます。

髪の毛にコシとボリュームがでる

コシのある太い髪の毛イメージシャンプー剤には髪の毛をしなやかで柔らかくする成分が入っている物がほとんどで、髪の毛の全体的なボリューム感を減らしてしまうものが少なくありません。髪の毛の量が多すぎたり、針金のような硬い髪質をしている方にとっては適していますが、【はげ】に苦しむ人にとっては、余計に薄毛に見えてしまう不必要な効果です。

湯シャンであれあば、もちろん髪の毛が柔らかくなる成分が含まれているはずもなく、傾向として髪の毛にコシが出て全体的にボリュームが増したように感じられます。

髪の毛の成長を促進させる

湯シャンは髪の毛の成長促進にも効果的な場合があります。
私たち人間の頭皮や髪の毛を守る働きがある皮脂は常に一定量頭皮や髪の毛に留まっている訳ではありません。季節・温度・湿度・ストレス・洗頭の仕方など様々ま要因で常に変化し続けています。

ただ、人間の体は良くできていて、頭皮の皮脂量が減るとそれに対応するように皮脂量を増やそうとする傾向があり、逆に皮脂が頭皮に十分分泌された状態であれば、皮脂分泌量は減少する傾向があるのです。ここで問題になってくるのが【皮脂を分泌するために必要な栄養素】です。身体を動かしたり、物事を考えるのには栄養素が必要です。もちろん皮脂を分泌するためにも栄養素が必要になってきます。

髪の毛が成長するためには、頭皮に張り巡らされた血管(血液)から髪の毛が成長するために必要な栄養素を受け取る必要があります。ここで頭皮に最低限必要な皮脂が無い場合、本来髪の毛の成長に使用されるはずの栄養素が皮脂分泌に使われてしまう場合があるのです。

逆に言うと、頭皮に必要最低限の皮脂があれば、血液によって運ばれてきた栄養素を髪の毛の成長に使用することができるのです。その為、湯シャンにより、頭皮に必要最低限の皮脂を残すことで髪の毛の成長促進が期待できるのです。

注意しておきたいのが、頭皮に留まっている皮脂の量です。
頭皮や髪の毛に留まっている皮脂の量が多ければ髪の毛の成長が促進されるという理屈であれば、常に頭皮をオイリーな状態にしておけば良いと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。確かに頭皮を常にオイリーな状態にしておけば、皮脂の分泌量は減少傾向となりますが、頭皮に生息し皮脂を餌に繁殖する常在菌が異常繁殖してしまい、ふけや痒み・つーんと鼻につく刺激臭など様々な頭皮トラブルを招くことがあります。詳しくは、【頭皮に生息する常在菌の働き】で記事にしていますが、何事もバランスが大切になってくるのです。

湯シャンは完璧ではない

ここまで、湯シャンについて肯定的な内容ををまとめてきましたが、湯シャンは決して完璧ではありません。むしろ当サイトではシャンプー剤を使用した洗頭を推奨させていただいています。

そもそも【湯シャンが◎】【シャンプー剤が×】ということであれば、これだけシャンプー剤が普及するわけがありません。例えば・・・

とにかく毛穴とその周辺の汚れが落ちにくい

頭皮や髪の毛に付着している、ホコリやチリ・古くなり酸化してしまった不要な皮脂などは、お風呂に入る前の「ブラッシング」や「シャワーでのお湯かけ」をきっちりすることで、その大半は除去できます。ではシャンプー剤は不要なのか?というとそうではありません。

一番汚れが残りやすいのは毛穴とその周辺です。毛穴とその周辺はその構造上少し凹んでいるため直接指で触れることができにくく、どうしても汚れが蓄積されやすくなります。また、蓄積された汚れは固くなり洗い流しにくくなってしまいます。そのため、洗剤の力を借りて皮脂や汚れを浮き上がらせ、洗い流しやすくする必要があるのです。

食器イメージ画像食器洗いを想像していただくとイメージしやすいと思いますが、頑固な油汚れはお湯だけではなかなか洗い流すことができません。

ですが、洗剤をつけることできれいに洗い流すことが可能になります。理屈はこれと同じで湯シャンだけでは毛穴やその周辺にこべりつく頭皮にとって不必要な皮脂汚れはなかなか落とすことができないのです。

湯シャンだけではどうしても頭皮がオイリーになりがちになってしまう

湯シャンをするメリットとして【頭皮にとって必要な皮脂を残す】ということを上げましたが、デメリットとして、【頭皮にとって不必要な皮脂を残す可能性がある】ということがあげられます。

湯シャンは洗浄成分を含まないため、どうしても不必要な皮脂が頭皮に残留しがちになってしまいます。お湯の温度を上げ、湯シャンの時間を長くより念入りに洗頭することで不必要な皮脂の残留をある程度防ぐことはできますが、洗浄成分には到底かないません。もちろん時間的デメリットも新たに発生してしまいます。

また、滅多になるものではありませんが、【湯シャンによるオイリー状態】+【ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌】が重なってしまうと、脂漏性脱毛症と呼ばれる脂性フケと常在菌の大量発生することにより進行してしまう脱毛症になる可能性もあります。脂漏性脱毛症については【脂漏性脱毛症】で紹介しています。

その他にも様々な問題点が

シャンプーやリンス・コンディショナーやトリートメントのほとんどに髪の毛を保護する(シリコン等の)成分が含まれています。シリコンには洗頭により開いたキューティクルを落ち着かせたり、熱への耐性や髪の毛同士の摩擦から髪の毛自体を保護する働きがあります。シャンプー剤やコンディショナー等を使用しないと髪の毛がごわついてしまうのはこのシリコン等の成分が無いためです。

髪の毛がごわついているということは、大気中のチリやほこりなどの汚れが髪の毛に付着しやすく、洗い流しにくい状態になってしまいます。もちろん髪の毛や頭皮にとって良いとされている、入浴前や就寝前のブラッシングもしにくくなり、無理に髪の毛を引っ張ってしまい髪の毛を傷めてしまう可能性もあります。その他にも、身体(頭皮)が湯シャンになれるまで皮脂の分泌量や常在菌のバランスが乱れることにより、鼻に付く嫌な臭いが発生する場合もあります。

湯シャンが【向いている人】と【向いていない人】

○×イメージ画像湯シャンについて良いところと悪いところをまとめると、「結局湯シャンは【はげ】に効果があるの?それともないの?」という話になってくると思います。結論を言ってしまうと、その人の体質やその時々の頭皮の状況に合わせて湯シャンをするかどうか判断していく、ということが正解と言えるでしょう。要は使いどころです。

例えば、容易に想像が付くと思いますが、日常的にヘアワックスやスプレーなどの整髪料をつける人には湯シャンは適してないです。もちろん理由は湯シャンだけでは整髪料を十分に洗い流せないからです。整髪料に含まれる合成界面活性剤にはしっかりと洗い流さないと頭皮環境が悪化して、【はげ】が進行してしまう場合があるので、シャンプーなどを使用ししっかりと洗い流すようにしましょう。整髪料については、【ヘアワックス・スプレーではげる?】で説明しています。

さらに、体質的にオイリー・脂性肌の場合は湯シャンは禁物です。不必要な皮脂を頭皮に残し過ぎて【はげ】が進行してしまう可能性があります。ただそういった方でも脂性肌が未来永劫一生続いていくわけではありません。年を重ねていくうちに皮脂の分泌量は減ってきます。また、季節によっても皮脂の分泌量は変化します。特に秋冬は全体的に皮脂量が減ります。こういった状況であれば、湯シャンに切り替えても問題ないかもしれません。

逆に、乾燥肌・敏感肌・アトピー性皮膚炎などのなんなかの皮膚トラブルを抱えているような状態であれば、シャンプー剤などを使用することで、その症状が悪化する可能性があるため積極的に湯シャンに切り替えても良いでしょう。

また、一昔前に女子高生中心に流行出した朝シャン。一時と比べると減少しましたが、現在でも【仕事上の都合】や【爽快感】などの理由で朝シャンを行っている方もおられると思います。一度シャンプー剤などで洗頭をし皮脂を落とすと新たな皮脂膜が形成されるまで約3時間必要とされています。その間髪の毛や頭皮は紫外線などの外部刺激に無防備な状態となってしまいます。そのため、朝シャンには皮脂を落としすぎない湯シャンがオススメになってきます。

湯シャンは0か100だけじゃない。調整も大事

シャンプー剤などの洗浄成分を使用しないで「湯シャンをする!!」と決めた人にありがちなのが、いきなりシャンプー剤を0に!つまり全く使わないようにしてしまうことです。意気込みは良いのですが、シャンプー剤を急に使用しなくするのはあまりオススメできません。

先ほども説明させていただきましたが、私たち人間の身体はとても効率よくできていて、その人の生活スタイルや体質によって皮脂の分泌量がある程度調整されています。シャンプー剤を毎日使用していたのが当たり前の状態だった場合、いきなりシャンプー剤を0にしてしまうと、頭皮が環境の変化に対応できず皮脂の分泌量が乱れてしまい、急にオイリー・脂性肌になったり、その逆で乾燥肌になってしまうことがありあす。

まず最初は、毎日きっちりシャンプーを使用していたのであれば、シャンプー剤を1日おきに使用するだとか、もしくはシャンプー剤の量を2分の1や4分の1に減らして使用するなどして徐々に0に近づけていくようにした方が良いでしょう。

湯シャンのやり方

最後に湯シャンのやり方について簡単にまとめておこうとおもいます。内容は、【若はげを防止するためのシャンプーのやり方】と重複する部分があるので、詳しくは、そちらの方をを参照いただければと思います。

準備するアイテムシャンプーをする時と同じです。
  1. ヘアブラシ
  2. タオル2枚
  3. 爪を清潔に短く切っておく
  4. シャンプーブラシ

ヘアブラシ

まず最初にヘアブラシについてですが、お風呂場に入る前に必ずブラッシングをするようにします。目的は髪の毛に付着している、ほこりやチリをブラッシングによって落とすことと、髪の毛をとかすことで洗頭時の髪の毛のひっかかりを低減してあげるところにあります。

ブラッシングのポイントはいきなり、根元から毛先に向けてブラッシングするのではなく、まず最初に毛先のひっかかりを取るように毛先を重点的にブラッシングしていきます。毛先の乱れが整ってきたら徐々に根元からブラッシングしてあげることで、髪の毛にかかる負担を軽減してあげることができます。

タオルを2枚用意

ブラッシングを終えたらお風呂に入り、シャワーでお湯で頭を濡らしていきます。この時まだ頭皮をゴシゴシ洗ったりはしません。まずはお湯で頭皮を十分に濡らしたら、2~3分程度放置してください。目的は頭皮にこびりついた汚れを浮き上がらせ洗い流しやすくするためです。この時に身体を洗うタオルとは別に用意したもう1枚のタオルを使用しています。

十分頭を濡らしたら、お湯につけたタオルを頭に巻いて2~3分程度待つようにします。こうすることでより汚れが落ちやすくなり、頭皮や髪の毛にかかる負担を軽減させることができます。

指先やシャンプーブラシを使って頭皮を優しく洗いあげていきます。

通常であればここで、シャンプー剤が登場するのですが、今回は湯シャンなのでシャンンプー剤は登場しません。ただやることはシャンプー剤を使用する時とほとんど変わりません。シャンプーブラシや指先を小刻みに動かして髪の毛ではなく、頭皮を洗い上げていきます。

この時、抜け毛を気にしてなでるように優しく洗いたくなりますが、指先で洗う場合は指先に力を入れしっかりと洗うようにします。(シャンプーブラシを使用する場合は先端が指先より細くなっている為、それほど力を入れる必要はありません。)ただし、シャンプー剤を使用しないため、髪の毛がごわつき引っかかりやすくなっているので、髪の毛の引っかかりには注意が必要です。

クエン酸イメージ画像どうしても髪の毛の引っかかりやごわつきが気になるようでしたら、クエン酸を使用するのも一つの手です。クエン酸は髪の毛のごわつきや引っかかりの原因であるキューティクルの開きを落ち着かせる効果があります。

クエン酸は粉末状になっていて濃度も高いためそのままでは使用することはできませんが水に溶かすことで簡単に使用することができます。これが最近話題になり始めているクエン酸リンスとなります。

クエン酸リンスは誰でも簡単に作ることができるので一度試してみてはいかがでしょうか?クエン酸リンスについては【クエン酸で髪の毛がサラサラに!?クエンサンが髪の毛に与える効果】で詳しく紹介しています。

すずぎはそれほど気にする必要無し

洗頭を行う際、最も注意していただきたいのが、洗浄成分が頭皮に残留してしまうことです。シャンプー剤などの洗剤は洗い流すことを前提に開発されています。頭皮にこれらが残ってしまうと、思わぬ頭皮トラブルを招いてしまう可能性があります。

ですが、湯シャンは洗浄成分を使用しないので、すすぎについては意識する必要はありません。というより、湯シャンは最初から最後まですすぎのみの洗頭方法となりますので。後は、きっちりとタオルドライ・ドライヤーをすれば、湯シャン終了です。髪の毛の乾かし方については、【洗頭の最終工程!【はげ】ない為の髪の毛の乾かし方】で紹介しています。

まとめ

湯シャンについてインターネット等で調らべていくと「シャンプー剤を使うとはげる」「シャンプー剤は使わないようにしよう」など、シャンプーに対してネガティブなサイトや記事がたくさん出てくると思いますが、実際はそうではありません。

確かにシャンプーの仕方が間違っていたり、頭皮の洗浄成分が残ってしまうと抜け毛の原因になってしまう場合がありますが、正しく洗頭を行っていれば、シャンプーが原因で【はげ】になることはまずないでしょう。つまり洗頭方法が間違っていないのに【はげ】が進行してしまう場合は他に原因があると考えるべきなのです。

だからと言って「湯シャン」が悪い訳でもありません。シャンプー剤を使用することを推奨しますが、乾燥肌や敏感肌・アトピー性皮膚炎等の症状がある場合は湯シャンが頭皮に良い場合もあります。正しい洗頭方法は決して1つではありません。これを機に自分自身に本当に合った洗頭方法を見直されてみてはいかがでしょうか?

はげとシャンプー 記事一覧
  1. シャンプーで何を洗いますか?
  2. 若はげを防止するためのシャンプーのやり方
  3. シャンプーブラシで【はげ】予防
  4. シャンプー後はリンス・コンディショナーを!!
  5. シャンプーの(洗浄成分)種類と若はげにおすすめなシャンプー
  6. 低刺激で洗浄力が高い石鹸系シャンプーの特徴!!
  7. 洗頭の最終工程!【はげ】ない為の髪の毛の乾かし方
  8. 朝シャンは【はげ】の原因に?
  9. 湯シャンは【はげ】を予防できる?

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